「VIRON(ヴィロン)」の牛尾シェフに学ぶハードブレッド (1)

渋谷・丸の内の名店「VIRON」の牛尾シェフによるスペシャルレッスン

牛尾シェフによるスペシャルレッスン

牛尾シェフによるスペシャルレッスン梅雨入りして間近の6月のはじめに、クオカショップ自由が丘店において『渋谷・丸の内の名店「VIRON(ヴィロン)」の牛尾シェフに教わるハードパン』のスペシャルレッスンが開催されました。

ハードブレットのプロの技をじかに目にする機会はそうそうありません。スペシャルレッスンの募集を知や否や早速申し込みをしました。参加者は20名に対して100名以上の応募があったそうで、その関心の高さがうかがえます。家庭で名店のパンが焼けるなら…イヤイヤ、少しでも近づけるなら、是非とも参加したいレッスンでした。

レッスン内容はバゲット・トラディショナル,リュスティック,パンペルデュの実演です。レッスンでは時間の都合上、牛尾シェフが予め前日にお店で仕込まれてきたものを使いましたが、その限られた時間の中で生地の仕込から、発酵、成形、パンが焼けるまでを時間いっぱい使っての説明です。途中、生地の状態も直接見て触って確認させていただきました。

お店で使われる材料、作り方を惜しげもなく披露され、途中、参加者からの質問に対してもじっくりと丁寧に応えていただけました。笑いを交えながらも丁寧で詳しい説明をいていただき、とても面白く内容の濃いレッスンとなりました。

バゲット・トラディショナル ~ 作り方とポイント

材料
  • ラ・トラディション・フランセーズ 500g
  • 塩 10.7g
  • インスタントドライイースト 1.5g
  • 硬水 70g
  • 軟水 280g

こんな材料を使っています

  • 仏産フランスパン用準強力粉(ラ・トラディション・フランセーズ)
  • safインスタントドライイースト
  • パン用ゲランドの塩
  • コントレックス

ここがポイント

  • ラ・トラディション・フランセーズ小麦粉の選び方。使う小麦粉の種類(産地やタンパク質量等)によりその特性が全く異なります。粉に合わせた扱い方が必要です。ここでは「VIRON」でも使われているフランスのミノトリー・ヴィロン社によって製造された、伝統的なバゲットを作るための小麦粉「ラ・トラディショナル・フランセーズ」を使用します。フランスの小麦粉はどちらかと言うと、タンパク含量が少なく、アメリカ、カナダ産の小麦粉のような引きの強いパンを作るには向きません。そんな小麦粉を美味しく食べられるように工夫されたのがいわゆるフランスパンです。ここで紹介する方法でアメリカ、カナダ産の小麦粉(リスドォルなど)を使うと思うようなパンに焼けません。その作り方を変える必要が出てきます。国産(日本産)小麦粉の性質はアメリカ、カナダ産よりもフランス産のものに近いとのこと。国産小麦ならこの作り方が応用できそうです。従ってここで紹介する方法でパンを焼けばそれに近いものができます。
  • コントレックス『水』その『硬度』。ここで注目していただきたいのが、わざわざ硬度の高いコントレックスを使用していることです。水でこんなに違いが出るのかと大変な衝撃を受けました。フランスの水が硬水であるのに対し、日本の水は軟水です。牛尾シェフが渋谷のVIRONをオープンする際も悩まれたそうです。「フランスと同じ材料や作り方をしているのに、どうしても生地がベタつき、なぜか同じように焼けない。」悩みに悩まれ試行錯誤を重ねられた結果、最終的に行き着いた先が水の違い。フランスの一般的に使われている水と同じようなの硬度の水を使うことで問題点が一気に解決したそうです。その硬度は350前後。ここでは硬度350になるように、硬水にコントレックス、それに水道水(軟水)を混ぜて硬度を調整して使っています。
  • つまり、軟水を使うとグルテンが軟化しベタつきのある生地になりますが、硬水を使うとグルテンが硬くしまった生地になります。パンの種類により水を使い分けると良いでしょう。
生地作り
  • 水と粉をあわせて約30分休ませる。
  • その間にドライイーストを水(仕込み水の一部を使う)で溶いておく。
  • 30分経ったら生地に水で溶いたイーストを混ぜていく。
  • 更に塩を加えて混ぜる。
  • ボウルを回しながら生地を捏ねる。

ここがポイント

  • 予め小麦粉と水を混ぜて寝かせてから、イースト、塩を加えて捏ねていく方法:オートリーズ法。こうすることで、雑味が抜けて小麦粉の風味が引き出されます。また、生地に無理な力がかからず伸びの良い生地ができます。
  • ドライイーストに水を加えて混ぜることで、眠っていたドライイーストを目覚めさせ、その活性化を高めます。
  • 材料を混ぜる生地を捏ねると書いてはいますが、捏ねるというよりは、周りから生地を掴んで中央部へ持っていくように混ぜる。ボウルを回しながら50回繰り返す。写真はドライイーストと塩を混ぜた後の状態。
  • レーズン酵母液を使うときは、ベーカーズパーセントで20~25%使ってください。その際、一緒に砂糖を1%程度加えてください。
発酵
  • 室温で20分、生地が乾かないようにして一次発酵を取る。
  • 発酵後、パンチをする。手粉をして手のひらで生地の上から押し込む感じ。
  • 生地を一周、外側から中央部へ端を掴んで折りこんでいくようにまとめる。
  • 室温で再び20分置く。
  • 60分の発酵この作業をもう一回繰り返してから、60分の発酵を取る。写真は60分の発酵後の生地の状態です。
  • その後、冷蔵庫(冷蔵室:6~8℃)でひと晩(12時間以上)生地が倍の大きさに膨らむまで発酵を取る。

ここがポイント

  • 生地は柔らかくベトつくので、手粉をしながら作業してください。生地は捏ねるというよりも、優しく折りこんでいく感じです。
  • 発酵の目安はフィンガーテストで確認をしてください。指に粉をつけて生地中央に差し込んでから抜き、できた穴がゆっくりと閉まってくる状態が良い。

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